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番外編 憧れの香水-キャパの恋人ー

ここでちょっと小休止ということで、憧れの香水について。

話は香水から飛ぶけれども、ロバート・キャパという戦争写真家がいる。彼の自伝を読んで、その魅力あふれる人柄やウィットに富んだ文体に心酔してしまい、一時期しばらくキャパに夢中だった。人間らしい写真を撮る人、というのはあまりにもざっくりした表現かもしれないが、彼は被写体である「人々」に限りなく近づくことで、彼らの真の表情を引き出し、優れた数々の写真を撮ってきた。戦争写真、つまり報道写真という枠組みを超えて、彼の写真は人の心をひきつける。キャパ自身についてはまた今度別記を書きたいと思う。

自伝には恋人ピンキィ(ピンクの髪なのでピンキィ)の話が出てくる。その彼女がつけていた香水が、ランバン(LANVIN)のアルページュ。美しく化粧をして香水を身にまとうピンキィの描写は、当時私があいまいなイメージしか持てなかった「女性」像に、ほとんど初めて、具体的な色付けをしてくれたのだった。

アルページュといえば、うすむらさきの小瓶に入ったエクラ・ドゥ・アルページュが有名だが、ピンキィがつけていたのは1927年発売の黒い瓶のヴァージョンである。

一度だけ店頭にその黒い瓶を見たことがあったが、なぜかすくんでしまい手を出せなかった。まだ高校生だったのもある。それ以来探したことすらなかったが、今ふとこうして思い出し、惹かれる思いでいる。どんなにかぐわしい香りだろうか。纏ったときどんな心地がするだろう。

 

それともー永遠に探さないままでいたほうが、もしかしたらいいのかもしれない。幼い憧れがそのままであるために。

 

 今はアマゾンでも買えるのね・・・

【ランバン】アルページュ EDP・SP 100ml (並行輸入品)

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そして本当におすすめの、『ちょっとピンぼけ』。表紙は、歴史的瞬間であるノルマンディー上陸作戦。 

ちょっとピンぼけ (文春文庫)

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